香港の警察が、香港の議会にあたる立法会の民主派の前議員ら53人を逮捕したと発表した。
逮捕理由は、2020年9月に予定されていた立法会の選挙に向け、民主派が候補者を絞り込むため予備選挙を行ったから。
民主派は「過半数を獲得して、予算案の否決などによって政府機能をまひさせることを狙っていた」から、北京政府制定の香港国家安全維持法に定める国家政権転覆罪に当たる。
すごい論法。日本では野党が政府の政策を批判し、国会の予算委員会で総理大臣をこき下ろすのが常態化している。同様の法律があれば、活動熱心な野党議員は根こそぎ逮捕されなければならない。
香港は外国だからどうでもいい。わが身に火の粉が降りかかってから考えるということで果たして大丈夫か。
「自由と民主主義は人類普遍の原理であり、いかなる国もこの法則に従う義務がある」と、日本国憲法は明記(前文)している。隣国の人が普遍的権利を侵害されたときに声をあげなければ、次に日本の一部(例えば沖縄)が飲み込まれ、同じことが繰り返されようとするときにも黙っているしかなくなる。
北京政府は「中国は法治国家」であると主張するが、法治、民主主義、自由のとらえ方がわれわれとはほぼ真反対。
日本国憲法を擁護する立場からは言うべきこと、行うべきことは自明のはず。その時期はいつか。当然、「今でしょう」。
顧問 喜多村悦史