怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記84 親仁善隣 その底意は?

作成者: 終活カウンセラー協会顧問 喜多村 悦史|Oct 22, 2020 6:25:15 AM

外交官とはかくあるべき。産経BS『プライムニュース』(1016日)で、中国の駐日大使孔鉉(こうげん)佑(ゆう)氏は「親仁善隣」を主張。司会を手玉に取る口舌の巧みさに感じ入った。

 まず米中関係について。1972年、ニクソン大統領との間で、相互に体制の違いを尊重するとの合意があるので、アメリカとは共存できる。むしろ日本政府が対米一辺倒ではなく、超大国中国の経済圏アジアで活きていく道を、国民感情を抑えて考えよ。

 対外膨張懸念について。中国人民14億を豊かにさせるために領域問題には“新たな安定関係”が必要であり、大国になった中国を直視しての努力を周辺諸国はしなければならない。尖閣は中国領であるにも拘わらず日本の巡視船が就航しているのが問題を複雑にしている。今は騒ぎ立てないが、静かに環境を整え、状況を熟した時点で、多国間協議の場などで片づくだろう。日本政府は国内報道を抑え込むべきだ。

 台湾は1992年合意(台湾の蔡英文総統は認めていない)で命運は決まっている。中国の国内問題だ。

 少数民族を含む国内での人権抑圧問題について。世界は価値の多様化の時代であり、中国人が今の専制政治を選択しているのだから、中国政府の価値観では何も問題はない。この一党専制の政治体制変革を求めなければ、何人も処罰されることはない。

 日本の外交官も赴任国で同じように、母国の主張や価値観をしっかり伝えているのだろうか。垂秀夫駐北京大使へのインタビュー記事(週刊東洋経済2020.10.24)では、「中国は巨大市場」の認識ばかりで、人権問題も尖閣問題も出てこない。中国共産党との安定的な関係強化に努めるとするが、日本国憲法前文の「人権と民主主義の普遍価値を世界に広める日本国民の誓い」の部分への意識はないようだ。

 

顧問 喜多村悦史