怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記㉚ コロナと人権

友人の勉強会に誘われた。

会場マンション集会室で氏名、電話番号記載を求められた。

後日コロナ感染者が出たときのクラスター探求に用立てるのだろう。

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 最後の講師は、青少年への哲学指導者と紹介されていたが、話を聞くうちに体が棒状になる気分に襲われた。

講演要旨は、

①ポンペオ国務長官の中国敵視演説はヘーゲル的白人至上主義がベース、②世界の主権は2千年前の中国で始まり、西進を重ね、欧州からアメリカに渡り、現在は太平洋の西端に及んでいる、この先中国に戻るのが歴史法則、③百年前のスペイン風邪発生地アメリカがコロナで中国を責めるのは筋違い、④中国ではコロナを完全収束させており、衛生面での中国優位は明らか、⑤予防接種開発での中国の成功を西側マスコミは権力と結託して隠している…。

 ボクはたまらず質問した。日本国憲法前文は「人権擁護と民主主義が人類普遍の原理であり、日本国民はその達成を誓う」となっているが、講師はこれに異を唱えているのか。

彼は自信満々で自分は護憲論者であると言ったので、重ねて質問した。中国がコロナ抑圧に成功したのが事実とすれば(他の聴衆から”ウソだ”の声あり)、人権無視の市民の行動抑制をしたからであろう。その点についてのコメントを求める。

 驚いたのは講師の反論内容。人権無視とはアメリカのお家芸。インディアン虐殺の歴史をキミは知らないのか。中国では民族絶滅のようなことはしない。それにコロナではアメリカだって都市封鎖をしている。キミはアメリカの欺瞞に目をつぶるのか。

 インディアン虐殺は事実だろうが、それは昔。モンゴル、ウイグル、チベット民族への圧迫は現代の話。また緊急時対応は古代ローマ以来の民主主義国の統治手法。常時抑圧にある専制国家との混同は、哲学者としてまずいのでは。返事をもらえなかった。

2020年09月02日