怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記155 少人数学級は学力を向上させるか

 小中学校の学級編成は40人が基本。これを30人にする案が検討されるらしい。受け持つ児童・生徒の数が少なくことで、学力の向上やいじめなどへの対策に織り込みやすくなるとして歓迎する向きが多いようだが、おカネの無駄だからやめなさいという見解を紹介しておこう。

 「少人数学級は本当に必要か 全国一律導入の問題点」と題する慶応大学の中室牧子教授と杉田壮一郎さんの論考だ(週刊東洋経済2020.12.5)。

 推進派の論拠は、年少人口減に伴う学級数の自然減で教員数が5万人過剰になるので、新規増員しなくても必要教員数を確保できるとする。まずこの点の検証が必要。教員の「数」と「質」にはトレードオフの関係がある。

 アメリカ・カリフォルニア州での分析では、質の良くない教員を抱え込むことで、学級規模縮小の効果のかなりが減殺された。差し引きの効果がなければその政策は否定される。

 

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 人口減のわが国では、現役世代のどれだけの比率を教育分野に回せるかのマクロ政策が必要だ。社会の常識を教え込むのが主任務の義務教育では、教員の過半を現役引退のボランティアに任せ、校長など管理要員のみを現役年齢層に振り向けるのが妥当とボクは年来考えているから、両研究者の主張に素直に賛成できる。

 二人の研究によると、直近データによると学級規模縮小は、学力向上、子どもたちの自制心、勤勉性、自己効力感、いじめや暴力の撲滅のいずれにも効果はない。わずかに不登校減少に寄与したのみ。

 しかしすべてが否定的ではなく、貧困世帯の子どもには効果が大きいとされる。保護者の経済力と学力の相関は知られており、貧困世帯が多い学校(=就学援助率が高い学校)では学級人数を半分にするとか、副担任をつけるなど、教員数の配置に極度のウエイト付けをするのが合理的である。

 その場合、家計にさほど余裕がない家庭が、学校の授業について行くために子どもに塾通いをさせないことを、教員過大配置の条件にすべきである。

 ボクの中学時代50人学級だったし、ベビーブーマー時代には60人学級だった。それで学校崩壊が起きたとは聞いていない。特別な事情のない学校では教員数を極力絞り込むことで、義務教育全体の生産性を引き上げることが望まれる。

 児童・生徒が減れば教員数も減るのが摂理。顧客がいなくなっても職を保障しろという無道が大手を振っていいのだろうか。

顧問 喜多村悦史

2021年01月06日

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