怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記360 軍艦島のゆがみを正せ

東京オリンピックが1年遅れで開会式にこぎつけた。まずはよかった。

205の国・地域から選手が参加し、史上最多33競技339種の競技が行われる。北朝鮮は参加ボイコットで揺さぶりをかけたが、追随する国はなく、笑いものになった。韓国は考え直して選手団を派遣したものの、反日言動を性懲りもなく繰り返している。

独自】軍艦島の建物群、崩落の危機…大雨で劣化「修復不可能」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

長崎市の沖合にある小さな端島(通称:軍艦島)には、海底炭鉱への入り口があった。鉱物資源に乏しい日本は海底の炭層を掘り進めた。その地上施設が今も残っており、「明治日本の産業革命遺産」としてユネスコの世界文化遺産に指定されている。軍艦島と呼ばれるのは、島に建築物が林立して、海から見た島が軍艦のように見えるから。軍事基地でも、戦争捕虜収容所でも何でもない。

ところが「朝鮮半島出身の犠牲者の展示がない」として日本政府の説明責任を求める決議がされた。これはどういうことか。

ドイツのフェルゲン製鉄所にはナチス政権による強制労働を示すパネル展示があるのに、端島にないのはおかしいというのが韓国仕掛けの情報戦。記念物は史実に沿ったものでなければ価値がない。ナチスの強制労働は史実として認定されている。一方、長崎の海底炭鉱では、内地人と半島出身者との処遇差はなかったのが史実。

しかるに報道によると2015年の登録に際し、韓国から執拗な妨害があり、気のいい日本政府は「犠牲者を記憶にとどめる措置を説明するとかなんとか約束した」らしい。それを逆手に取り、日本政府の譲歩を要求しているわけで、慰安婦、徴用工などに共通する韓国政府のやり口である。

日本政府・外務省は約束内容の詳細を日本国民に説明すべきである。当時の労働者はすべて日本人。その中でどういう処遇差があったというのか。岩手県からの出稼ぎには高給で応じ、朝鮮半島からの出稼ぎは鎖と鞭で強制労働させたとでもいうのか。まさか? 自信を持ち、当時の資料や証言からの“事実”をそのままパネル展像すればよい。落盤事故の際、半島出身者を敢えて見殺しにした証拠の提示があるなら、それを検証すればよい。歴史事実を隠し立てしたり、改竄したりしないのが自由主義、民主主義社会の基本原則なのだから。

今回の端島(軍艦島)をめぐるユネスコや韓国との協議内容は世界平和と国際政治をめぐる格好の教材だ。オリンピック選手村で狭義の合間でも議論してもらえばよい。根拠のない言いがかりには、とにもかくにも正々堂々対応することだ。

顧問 喜多村悦史

2021年07月26日