怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記172 後期高齢者の間窓口負担

菅総理が国民皆保険の見直し(廃止?)に言及したとしてネットで騒ぎになっている。皆保険制度が国民生活に密着していることがあらためて認識された。

そのことは素晴らしい国民性の表れなのだが、では皆保険とはどういうことか。この点についての合意が実はあやふやなのではないか。政府の社会保障審議会医療保険部会が昨年末(12月23日)にまとめた「論点整理」を読んで改めて感じることだ。

医療は経済行為であり、医者(病院)への支払いは患者の家計負担である。健康者を含む多数人でこの負担額分散するのが保険。よって加入者間に公平性への納得がなければ、制度を維持できない。

どうすればよいか。自動車保険を例にとる。過去の記録から各自の事故率を想定し、それに比例した保険料を徴収する。そしてだれの事故についても平等に保険金を支給する。

 

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一方、医療保険ではどうなっているか。過去の病歴は問わない。病気がちの者を排除しないためである。では一律の保険料か。実はそれをも乗り越え、加入者の所得に応じた保険料を徴収する。月収100万円の者は10万円の者の10倍の保険料を負担するわけだが、収入額と有病率が相関しているわけではない。高収入者により多くの保険料を負担してもらえば平均保険料を下げることができるという便宜的考えだ。以上は保険料での話。

次は保険金をもらう時点の話になる。元同級生三人がまったく同じ症状で病院に行き、同じ治療を受け、治療費は1万円であった。誕生日の関係でAとBは高齢者だが、Cはまだであった。Aは年収199万円でBは200万円であった。この場合、それぞれの一部負担は、Aは1割、Bは2割、Cは3割になるわけだ。ここで一部負担だが、目的は受診抑制。お腹が痛くなった場合にすぐ病院に行くか、売薬で様子を見るかは、各自の判断事項。一部負担割合が低ければ医者に行き、高ければ売薬に向かう者が多くなる。

ボクも後期高齢者に近づいている。後期高齢者の医療費は、①保険料と②支援金と③公費だが、財源の大きさで1対4対5の比率になっている。このうち②は現役世代、③は赤字国債の償還する将来世代の負担である。それを考えれば、後期高齢者の一部負担割合は現役世代と同じ3割であるのが当然で、即座にそのように改めるよう国民を説得するのが政治の本来の役割と思える。でもやっていることは真逆。

顧問 喜多村悦史

2021年01月18日

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