怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記100 児童手当の特例給付に思う

「金持ち優遇に賛成するのか」。そういう気はまったくありません。これを最初に断ったうえでの発言です。

 政府が自動手当の特例給付を廃止して900億円の財源をねん出し、保育所整備に充てることを検討と新聞が報じている(産経116日)。

 中学生以下の子ども一人につき月15千円(3歳以上の第12子などは1万円)の児童手当が養育者に支給される。ただし所得による所得制限があり、年収960万円を超える者は対象にならない。職場で貢献が認められて昇進、昇給したら児童手当が不支給になり、家計がかえって苦しくなるのは不都合ということで、5千円だけ支給するのが特例給付。これをまったくの不支給という原則形に戻すのが検討内容。

新生児と親の手の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」

児童手当は「低所得のため子育てに難渋する家庭への経済支援」と理解すれば、特例給付廃止は当然の措置。財源ねん出の観点では、平均以上の所得家庭には遠慮してもらうべく制限ラインを500万円程度に下げる案でも支持されそう。

ここで考えたいのが、児童手当はなぜ支給されるのか。産んだ子を育てるのは親の義務。養育費の準備も計画もなしに、子を作るのは責任感の面でどうなのか。

だが児童手当の受け手を子どもと考えれば様相が変わる。生まれた子は社会の宝。すべての子が養育してもらう自己資金を持つ。そう整理すれば、親の所得は関係ない。

子どもが社会の宝とした場合、社会連帯すなわち社会保険で財源負担するのが素直な発想。子どもがたくさん生まれることで、年金、医療などの社会保険制度が安定する。だから幼少者に子ども年金を支給する。児童手当の社会保険化である。

なお雇用労働者の保育所費用は、本来雇用主が共同負担すべきでしょう。

顧問 喜多村悦史

2020年11月06日