怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記107 クマ等被害への対策

人を襲うクマが悪いのか、テリトリーに入る人間が悪いのか

 クマに襲われる被害が絶えない。昨年は140件発生し、157人がけがをして、一人が死亡した。こうした場合に出がちなのが、クマこそ被害者という議論だ。

 ヒトがクマの生活領域に入り込むのが悪い、クマの生息地を守れという主張で、捕鯨反対運動などに連なる。動物にも生存権があるとの主張は分かりやすい。

 しかし分かりやすいから正しいとは限らない。まず、クマの生息地とはどこを指すのか。動物園の入場者がクマの柵内に入り込んで引っかかれたら、その人間が一方的に悪い。動物園側に賠償請求するなどもってのほかであり、クマに対して詫びる必要があろう。では、山菜取りに行き、クマに遭遇した場合はどうか。

 入山禁止区域でない限り、クマが悪いとせざるを得ないのではないか。この際、クマが引っかいてはいけないとの人間ルールを知らなかったのは理由にならない。ルールを作るのは人間であり、人間の利益を守るのが法制定の目的なのだから。

 

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 こういうふうに言うと、クマには人権はないのかとなるが、クマには当然、人権はない。同時にクマ権なる天賦の権利もない。

 人間がクマの生存を認めたほうがよいと合意する限りにおいて、クマの生存は保証される。これがヒトと動物との関係である。ゴキブリを叩き潰しても非難されることなどないことから、理解は容易だろう。

 老齢化地域を訪れたら、畑だけでなく、家作の回りを電気線で囲っていた。イノシシやサルからの防御策だという。

 触るとビビッとするらしいが、悶絶するほどの高圧ではないという。やりすぎとの批判を避けるためというが、動物は学習するからすぐに効果はなくなる。

 親戚の者は夜道でシカに体当たりされ、バイクごとがけ下に転落。今もリハビリ中だ。日本人の経済活動領域は野生動物からも守らなければならない。

顧問 喜多村悦史

2020年11月19日