怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記110 生涯現役、シニアは起業を

人生100年時代、生涯現役のために学びを忘れずに

 80歳まで雇用保障の会社が紹介されていた。その野島廣司社長は、区切りは必要との社内意見で平均寿命にしたが、自分としては年齢制限いっさいなしにしたかったと述べている。

 政府の定年“延長”政策に異論を述べている識者もいるので紹介しよう。出典は週刊東洋経済No6950(インタビュアー許斐健太)。

まず出口治郎さん(立命館アジア太平洋大学学長)は、定年制を延長ではなくズバリ廃止すべきと主張する。高度成長期の企業は人材が不足。

 そこで編み出されたのが、「新卒一括採用」「終身雇用」「年功序列」とセット。「定年制」という戦後日本に特有の雇用慣行だった。

 そもそも英語圏には「定年」という言葉がない(高年齢者雇用差別は法で禁止)。日本でも低成長に移行し、定年制は次第に成り立たなくなっている。

 

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60歳を起点として、人生前半と後半で別の仕事に挑戦しよう

 考えを改めるチャンスと出口さんはとらえている。人生百年時代、20歳から社会人とすれば80年もある。2等分すれば60歳が折り返し点。前半と後半で別の仕事に取り組めばいいとの考えだ。

 後半では子どもは成長し、住宅ローンは終わっている。健康の衰えもさほどではなく、そのうち年金も支給される。ならば組織に時間管理される窮屈さを耐える必要はない。起業して一国一城の主になればよい。

 重要なのは個人の自覚。起業に向けて勉強や準備を怠らない者が意義ある生涯を送れる。

 逆に定年年齢を下げてはと言うのは、人材紹介会社を立ち上げている郡山史郎さん。第二の就業では過去の役職や経験は役立たないし、評価されない。ならば実務能力を維持して即戦力になる早期転職が有利。

 そうすると最初の職場を去りやすくするため50歳定年がよいのではないか。そしてゼロから出発の次の職場で90歳まで働いて引退する。基礎年金(厚生年金は別)の支給開始年齢をそれに合わせれば万事解決か。

「まだ若い」と 就職面接で力説し、 年金事務所では 「もう歳です」

顧問 喜多村悦史

 

2020年11月19日