怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記119 領土・主権展示館

虎ノ門駅そば、三井ビルディングにある「領土・主権展示館」を見学した。展示対象は「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」。相手国はそれぞれロシア、韓国、中国。写真や公文書などの根拠を用いて、先方の主張の矛盾点を論破している。
パンフレットは「展示の目的」を次のように書いている。

北方領土」と聞いてイメージする素材集 | 総務部北方領土対策本部北方領土対策課
「世界のすべての国家は、領土を持ち、そこには国家の主権が及んでいます。日本にも領土があり、そこには日本の主権が及んでいます。主権とは、国家が自国の領域において有する他の権力に従属することのない最高の統治権のことであり、国家の基本的な地位を示す権利を有します。しかし…」と、以下、「権利の一部を事実上行使できない」場所として北方領土と竹島を、また「周辺海域における情勢が複雑化している」場所として尖閣を定義している。


やっぱりそうかと、展示を見た者は領土・主権が危うくなっている現状を正しく理解するだろう。では政府はどうしようとしているのか。国民にどう行動せよと訴えているのか。その部分がないのだ。それなしでは述語のない意味不明の欠陥文章だ。肩透かしというか、投げやりというか。見学の後に残る脱力感。
言うまでもなく民主主義国では主権者は国民だ。その国民が国家の意義を問い直すのに領土と主権は格好の素材のはず。学校の社会科見学や修学旅行先に、原爆資料館などと同様に含めるべきだろう。主権者の代弁者である国会議員の必須視察先であるべきだろう。NHKは関連特集番組を定期に制作、放映すべきだろう。
「一度も他の国の領土になったことがない日本固有の領土です」と被害者ぶるだけでは領土は返ってこない。領土不当侵奪は戦争を仕掛けられているとの認識が必要だ。
顧問 喜多村悦史

2020年11月25日