
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
富裕者の定義はあるのだろうか。野村証券の関連会社である野村総研(野村総合研究所)がアンケートをもとにした調査結果(2018年)では5分類されている。
どこに属しましたか。ただしこの調査ではいくつかの留意点がある。
「都心にタワーマンションを保有しているから準富裕層かな?」。これは間違い。この調査では不動産などは対象にせず、金融資産に限定している。すなわち預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険、年金保険などである。また、借金を除く純金融資産額としているから、タワーマンションを銀行の住宅ローンで購入した人も、残念ながら富裕層には入らない。
数的には純金融資産3000万円未満の「マス層」が圧倒的である。これは考えてみれば当然のことだ。就職し、結婚して間もない者は、家を買い、子どもを育てている時期であるから、数千万円もの預貯金等あるわけはない。その時期を超えて以降に資産は増え始める。そして退職金を加えることで資産はピークに達することになる。その後は年金での家計不足額を金融資産の取り崩しで埋め合わせる。
引退時期に準富裕層に近い資産を持つのが人生指標といえよう。就業からの引退時期の目安になり、「もうひと踏ん張り」と就業意欲向上につながるのが望ましい。
顧問 喜多村悦史
2020年12月09日