
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
野生の大型動物に出くわしたらどうするか。日本では「死んだふりをせよ」などと言われるが、果たして有効なのかどうか。
アメリカでハイキング中の男性がピューマの幼獣を見かけ、スマホで撮影していたら親ピューマが登場した。男性は後ずさりしながら、それでも撮影を続けていると、ピューマは前足を広げて突進する素振りを何度も繰り返す。男性も負けず、「あっちへ行け!」と大声で叫ぶ。視線は絶対にそらさない。これが何分も続いた後、男性が石を拾って投げつけえると、ピューマは踵を返して逃げ去った。
報道では教訓として、後ろを見せるとか、逃げるそぶりをしてはダメと言っていた。
アメリカでは野生のピューマに出くわすことは珍しくないようだ。
別の男性はコロラド州の山道をランニング中、いきなりピューマに襲いかかられた。男性は顔と手首に噛まれたが、自分の命を守るために反撃した。とっさにピューマの首を渾身の力で締め上げ、息の根を止めた。公園野生生物局の担当官は、「運悪く、ピューマの狩猟本能がランナーによって刺激された」と話しているそうだ。コロラド州では1990年以来ピューマに襲われて3人が死亡、16人が負傷している。
武器を持たない場合、人間は野生生物の攻撃に無力と思われがちだが、腕で絞める、体重を乗せたパンチを見舞うなど、二足歩行と身長の高さで闘うことはできる。
日本でも63歳の男性がクマの成獣に襲われたが、クマの目を攻撃して撃退した事例がある(2016年群馬県)。にらみつけても、攻撃してくるならば、火事場の馬鹿力を頼んで闘うことだろう。中露韓という交渉が成り立たない相手についても同様だ。
顧問 喜多村悦史
2020年12月09日