怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記142 コロナ寄付基金の呼びかけ

コロナ感染を広げないよう「会食は4人まで」。政府の新型コロナ感染症対策分科会が提言していることを知った。西室康稔経済再生担当相が「会食のクラスター(感染者集団)の8割以上が5人以上の会食など」と警告していたことなど、ほとんどの国民の脳裏をかすめてもいなかっただろう。

これを菅総理ご自身の行動で、マスコミを通じて一挙に国民に周知させることになった。1214日に銀座のステーキ屋で、二階俊博幹事長や俳優の杉良太郎さんら7人以上で会食した。「国民への指示と違うではないか」とテレビのワイドショーが「国家の一大事」とばかりに連日大騒ぎするものだから、「5人以上の会食はいけなかったのね」とだれもが知ることになったわけだ。

その甲斐あったか、自民党の各派閥は予定していた忘年会をキャンセルしたという。「開催したらマスコミの餌食になる」からだが、直前キャンセルされた料亭の損失には頭が回らないのだろうか。「5人以上の会食はご法度」情報を派閥の幹部先生がたが知らないわけがない。知っていて「重要な国策の相談をするのだから、コロナ感染リスクより重要である」との判断があったはずであり、料亭側も「そういうことであればよもやのドタキャンはあり得ないはず」という合意になっていたはずだ。

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署名報道記事(今仲信博、豊田真由美、産経1218日)によると、立憲民主党は総理の多人数会食に関して政府関係者を激しく攻撃した(17日の参院内閣委員会で塩村文夏議員)が、ブーメラン効果で自党議員を困惑させているという。

― 同僚議員との懇親会を延期したという立民中堅は「距離感を縮めるには夜の会食が一番だが、致し方ない」と語る。一方、立民国対幹部は「支援者に誘われたら断れない。国会議員は会食が仕事のようなものだから、つらい」とこぼした。 ― 

「国会議員は会食が仕事のようなもの」は本音だと思う。「自らのコロナ感染が怖いから仕事を放棄するような臆病者ではない」。マスコミに対してそのくらいの啖呵を切る議員が一人もいないようなのが寂しい。

 さて議員の会食費用は何処から出ているのだろう。歳費か、政務調査費か、支援者の寄付金か、政党交付金の分配か。いずれによるとしてもいわゆる自腹のはずであり、会食自粛で手許金になっているはず。コロナで事業活動が思うに任せず苦しんでいる国民が大半だ。議員は会食予定だった経費を救済資金用に率先寄付してはどうか。政治家が先導すれば、在宅ワークになったため通勤費や外食費を使わなくなったサラリーマンなどはただちに後に続くだろう。

顧問 喜多村悦史

2020年12月21日