怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記143 コロナでも歴史歪曲

「ウソを言ってはいけません」と、普通の親は子どもに教える。

「ウソを信じ込むのが国民の義務」と、国民を教育する政府がある。

 産経新聞パリ支局の三井美奈記者の「コロナ発生源 中国は歪曲」という記事(1218日)である。

 新型コロナは中国武漢で発生した。これが現時点での“真実”。

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 将来の“真実”は、世界震撼させた新型コロナウイルスを中国が抑制した。発生国(中国ではない)や蔓延国は、中国に深く感謝しなければならない。そうなるのは20年先か、30年先か。

中国共産党とその統治下にある政府にとって主客転倒はお手の物。

記者が取材した陳堃(ちんこん)さん(33歳)は、インドネシア滞在中に弟の陳玫(ちんばい)さん(27歳)が逮捕されたことなどから身の危険を察知して帰国せず、パリ大学の留学生として査証(ビザ)を取得し、妻や娘とフランスで暮らしている。

新型コロナの感染拡大では、武漢の医師や市民が現地情報をSNSで発信したが、中国政府は投稿を見つけ次第削除した。だが、ネットで拡散し、外国に広まった。陳玫さんが自分で記事を書いたわけではない。ネットに転載したのが海外で読まれた。それが「騒動挑発」の重罪行為とみなされ、4月に逮捕拘束されている。

陳堃さんは弟の身を案じるが、弁護士はコロナを理由に接見もできていないそうで、状況確認の術もない。裁判が12月中に開始される見込みだが、禁固5年の実刑が予測されるとのことだ。

陳堃さん曰く、「中国政府は、新型コロナ発生を『中国はウイルスに勝利した』という物語にすり替えようとしている。当初はみんな政府の情報隠しに怒ったが、世論は変わった。今は感染の疑いのある患者の個人情報がネット上に流され、罪人扱いされるありさま、政府の洗脳の成果だ」。

中国には14億ともされる巨大人口がいる。魅惑的な市場だが、人権や信条抑圧を党是とする共産党が箸の上げ下げまで統制している。経済利益を得ようとすれば、日本国憲法の心髄である民主主義、自由主義の魂を売り渡すことになる。日本の政治家、財界人は、そのことを自らに問うたことがあるのか。  

顧問 喜多村悦史

2020年12月21日