
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
商売柄、文章の論理構成に目が行ってしまう。
「Go To キャンペーンはお店と利用する消費者の両方に利益があり、落ち込んだ日本を少しでも笑顔にしてくれるものだと思う。もちろん、キャンペーンによって感染者数が増えるのは心配だ。
今後は、インターネットなどで店の感染対策の状況を見られるようにするなど感染対策をしっかりした店にしていくことが重要だと思う」
これは中学生の新聞投稿文書。採択した編集者が評価したのはどの点だろうか。お店と消費者双方に利益があり、日本経済にもプラスで、かつコロナ感染対策にも役立つ。目配りがよろしいということだろうか。
このキャンペーンに何兆円もの公費が使われ、その原資はそっくり将来世代につけ回しされていることへの認識が完璧に欠落している。多分、学校では、政府の財政への配慮などを教えられないのだろう。
「キミたちは現代の無責任な大人の尻ぬぐいをすることになるのだぞ」と教師はしっかり教えたのだろうか。
政府はカネをバラまき、企業も国民もたかることが日常化する。財源は借金でかまわず、将来世代につけ回しすればよい。借金(国債)の返済にあたる世代こそ、いい面の皮だ。
だが、それに将来世代が喜んで応じるものか。表向きは物分かりがよい顔をしていても、腹の底では納得していない。それが出産忌避という形で表れている。
大人たちは、自分たちが楽をする分、子どもや孫が苦しむことがわかっている。対応策は3とおりしかない。
このうち③は無責任そのもの。しかるに現代日本社会では③の行動が正当化され、推奨されている。
顧問 喜多村悦史
2021年01月06日