怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記164 相撲協会決断の是非

今日から大相撲初場所。相撲はわが国の“国技”。日本人ならば一度は桟敷席で観戦したいもの。

 父が亡くなる前、国技館の本場所をプレゼントとした。家内と、娘と、その結婚相手の母親の3人が同行。父は女性3人に相撲知識の蘊蓄(うんちく)を披露してご満悦、田舎に帰った後も、親戚や近隣にテレビ観戦とは違う熱戦の様子語り聞かせていたという。

 さて今場所だが、なんと初日から65人の力士が欠場という。負傷欠場は腰を痛めている鶴竜だけ、ほかはすべて“コロナ”関連。事前にPCR検査したところ5人が陽性であった。体力があるお相撲さんだから、みなさん元気で、無症状だ。

 しかし陽性者に相撲を取らせるわけにはいかないと協会は決定した。そして同じ部屋所属の力士は濃厚接触者として連帯対応になった。これに該当するのが九重と友綱部屋のお相撲さん。先般感染が明らかになった白鳳が所属する宮城野部屋、昨年末に集団感染があった荒汐部屋も同罪処理。4部屋の全力士65人が初日から欠場する、前代未聞の事態になったわけだ。これは全力士878人の7.4%。力士総数を国民総数12583万人に見立てれば、931万人の休場に相当する。

フリー写真] 相撲をとる力士と見守る観客たちでアハ体験 - GAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集

 相撲協会は、場所中に新たな感染者が見つかれば、その力士が所属する部屋全体を欠場させるとしており、千秋楽まで初場所を維持できるのかも不明としている。

 ボクのマンションには幕内力士が住んでいる。近時、調子がよく、三役入りも狙える位置にいて、住民は応援している。幸い、彼の部屋は、出場禁止の4部屋には含まれていないが、これからどうなることやら。7勝時点で強制休場とか。

 中途で場所そのものが打ち切り、その後、3場所中止といったことにでもなれば、大相撲自体の継続ができなくなるかもしれない。国技喪失である。

 標題を「相撲協会決断の是非」とした。国民一人一人が、コロナを自分ごととして考えるべきだとの、相撲協会からのメッセージなのだとボクは受け取った。

顧問 喜多村悦史

2021年01月12日