怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記169 出産育児一時金の内訳

子どもが生まれると健康保険から「出産育児一時金」が支給される。現在の給付金額は42万円だけれど、その内訳を知っていますか。

実は一時金自体は404千円。これに産科医療補償制度の掛け金16千円が上乗せされている。生まれる際に一時的に子どもの脳への酸素供給が途絶えると、子どもに重篤な障害を引きおこすことがある。産科医療補償はそうした子どもへの将来の経済支援を目的とする保険なのである。ここで言いたいことは、「出産育児一時金」は産科に支払う費用以外の要素があるということ。

一時金の本体金額は、産科料金の平均額で決められる。厚労省の調査によると、出産料金の中央値は、公的病院44530円、私的病院467805円、診療所・助産所449300円とのこと。もっとも金額差が大きく、わが家の娘の場合でも一人は30万円弱で済んだが、別の娘は100万円超かかる高級産院だったのに新生児用品代に食い込んだ。

 

出産育児一時金とは?出産前に絶対に知っておきたいお得情報♡ [ママリ]

 

提案。第一に、出産費用を他の診療同様に、保険からの現物給付にする。出産については一部負担金を徴収しない。つまり10割給付。このための財源は、他の診療部分での医療費適正化で生み出す。出産増は国民経済のみならず、社会保険の運営においても必要とされているのだから、保険加入者に投票させれば、圧倒的多数の賛同を得るはずだ。加入者自治の具体化として、オンライン投票をぜひやってみたい。

第二に、「出産育児一時金」本体の404千円を、そっくり現金で給付する。ベビー用品事業者と提携して、子ども用品購入金券として支給すれば、受給者は割引で希望商品を購入できよう。ついでに保険者がベビー用品等の使い回しシステムを加入者に提供すれば、実質で100万円の使い出になるはずだ。

皆保険の強みをこうした方法で活かす。保険者の責任業務領域である。

顧問 喜多村悦史

2021年01月18日