怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記180 厚生労働省は世間からづれている

・世の中の中心だと思っていた社会保障は、どちらかというと「端っこ」だった。

・厚生労働省の仕事は、それ歩世間に知られていない。厚生労働省の常識は世間で共有されていない。

・厚生労働省は本当に必要とされている施策を考えていない。

 20年以上のキャリアを持つ有資格の官僚である山田章平さんが、『社会保険旬報』111日号の「新春随想」に載せた文章である。昨秋から主要企業や他省庁幹部と国家的重要事項についての「濃密な勉強会」を繰り返す中で会得したという。

「社会保障が世の中で一番大事なものであって、誰もが医療、介護、年金に関心を持っている」と思い込んでいたが、各社ではホープのはずのメンバーでさえ、社会保障にどのようなメニューがあって、どれ程の負担をしているのかということを知らない。医療、介護、年金関心を持っている人も半分もいない。

 そのとおりだと思う。社会保障は安全弁。制度は大まかで、運用の仕組みはだれにでもわかるものでなければならない。

 

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 大けがをして病院に駆け込んだら、原因は労災か否かと問われ、どちらであるかによって保険証が使えなかったり、窓口負担がなかったり。出産と育児で会社を長期休むことにしたら、産前産後期間は出産手当で健康保険、その後は育児休業だから雇用保険と給付申請の手続きが違う。

 どうしてですかと問えば、制度について説明してくれるだろうが、それを聞いて100%わかって納得している人などいないだろう。細かい理屈はどうでもいい。窓口と申請方法さえ教えてくれればいいのだ。

 転職したら加入する保険制度の変更になるのでは、ほんとうの意味での国民皆保険ではない。制度が縦にも横にも分立しているから、不公平なことが行われているのではと疑惑を持たれる。これでは制度への信頼は高まらない。

だれもが収入の一定割合を社会保険料として納付する。これを怠りなく納付していた者には法定の給付が行われる。給付の種類、内容は1枚の紙に収まるくらい簡潔。国民皆保険とはそういうものであるべきと思う。

顧問 喜多村悦史

2021年01月27日