怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記202 亀戸天神の梅

散歩の足を北に延ばして、亀戸天神。途中に運河があり、渡れる橋が限られるので、明治通りを進み、亀戸駅に出たが、これは少々東に行き過ぎだった。JR線路に並行してかなり錦糸町方面に戻ることになった。出発前に地図の確認を怠るとこうなる。ただし散歩目的から見れば、歩行距離が延びるから、まったくの失敗というわけではない。

亀戸天神は江東区内にあるが、1年前までは行ったことがなかった。コロナで在宅が多くなったのが区内探訪のきっかけ。JRの隣駅、錦糸町には買い物などでよく歩いて行くが、そこは墨田区。近在で最大規模の墨東病院も墨田区。都立だから差別はないが、わが区所在でないのは少々残念。江東区と墨田区は、境界が入り組んでいる。

 目的の亀戸天神までは1時間強だった。この神社の売り物は梅と藤。そのうちの梅が咲き始め。正面からのお参りは混んでいるだろうと、東門から入る。写真のその脇の梅。場所の証明として背景にスカイツリー。

 社殿には正面鳥居から太鼓橋を渡って参拝者が列を成している。なぜ今の時期にといぶかるようではいけない。天神様は菅原道真を祖とする学問の神様を祀る。今は受験シーズン、当人や家族が合格祈願に訪れるのだ。「○○校に合格できますように」の絵馬が折り重なって並んでいる。

祈願した人の全員が受かるといいなと思うけれど、定数があるからそれは無理。祈願の趣旨は、自分の日頃の力量を示せるよう、当日の体調が万全であることをお願いするのだろう。あるいはもう少し自分本位に、得意分野が出題されるようにということか。(問題印刷は済んでいるのだけれど)。

 

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 亀戸天神はその名のカメでも有名。境内の相当部分を占める池には無数のカメが住んでいるとのことだが、まだ冬眠中なのか、石の上で甲羅干ししているのは二、三匹だった。遠目で見ると日本の在来種ではなく、アカミミガメのようだ。これはアメリカのミシシッピ川あたりからやってきた(運ばれてきた)種で、当初は寒さに弱いから繁殖はしないと専門家が言っていたと記憶するが、それがどうして。今では区内のどの淡水でも群れを成している。もっともカメの意識に人間の国境はないだろうから、「侵略種」とるのは腑に落ちないだろうが。

 娘の一人が小学校時代のクラスでカメを飼っていたら、大きくなりすぎて夜な夜な水槽から脱走し、校長室で夜を明かしてようで、出勤してきた校長先生が悲鳴を上げ、即刻追放されることになった。担任の先生の提案で、クラス有志を連れて亀戸天神の池に放しに行った。そのときのカメはまだ存命だろうか。甲羅に目印をつけておけばよかったと娘が当時言っていたが、彼らは脱皮するから、甲羅への印は意味がない。動物園のペンギンのように腕に“輪っか”をつけることが考えられるが、今の時世、動物愛護集団に叱られるかもしれない。

帰りは区内を南北に流れる川(実はかつての運河)沿いの遊歩道を歩いた。距離的にはこれが最短コースで1時間弱。以前はこれだけ歩くと、夜寝ていて足がつったりしたものだが、慣れたのかそれはなくなった。

顧問 喜多村悦史

2021年02月17日