怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記236 同性婚を憲法が保障?

「ありのままの自然環境にいっさい手を入れるな」と主張する人と、「生物種発生以来のオスとメスとの分類区分を打破すべき」と主張する人がいる。どちらも極端、よほど風変わりな人かと思っていたら、昨今はどうでもないようだ。同じ人が、この双方を主張するのを聞くと、自然は保護すべきだが、生物は変革しなければならないと相矛盾することを言っているとしか思えない。

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 昨日書いた「同性愛行為も不倫になる」で、かなり腰が抜けたのだが、今日取り上げる317日の札幌地裁判決では、もはや力なく笑うほかなかった。

 男性同士、女性同士のカップルが役場に婚姻届けを出そうとしたら受理できないと言われた。それが許せないからと国を訴えたのが、裁判官は同性同士の婚姻は憲法14条によって保障される権利であるとしたのである。

 そもそも婚姻とは何か。ウィキペディアは、「結婚すること」「夫婦となること」「社会的に承認された夫と妻の結合」とする。結婚 - Wikipedia

 要するに二人が新しく家庭を築こうとするのを、家族、地域、国家が承認し、応援することである。なぜその必要があるのか。それは家庭が社会の基本単位であるからで、社会の次世代を育成する基盤であるからだ。そのことは「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」(憲法241項)という文言でうかがえる。しかるに先の裁判官は、この条項は異性婚を規定したもので、同性婚には触れていない。しかし保護しなければならないという。見事というほかない非論理的文章である。

 両性がある生物種では、オス間、メス間では、けっして子どもはできない。カタツムリのように雌雄の役割を変えられる例外種もあるが、人類をこうした例外種とする学説はないし、実際事例もない。

 裁判官の人の子、LGBT運動への賛同を示しておかないと罵声を浴びると怖れたのかもしれない。性的マイノリティーの権利の主張者は、異説を受けつけない。エキセントリックな宗教者や共産主義者と似ている。判決は、「同性カップルに婚姻の法的保護を与えない裁量権は国会にはない」とするが、これは逆で「国会には同性者に法的な夫婦としての権利を与える法律を制定する権限が与えられていない」のが、普通の判断力と社会観を持った国民の感覚ではないか。男性と女性は異なる。だから権利の同等性が要求されるのだ。

 日本国民は性的関係についてはおおらかである。いわゆるホモとかレズといった同性愛志向者を罰するなどの無粋はしない。事実行為は許容されている。それでいいのではないか。逆に同性間の婚姻を法律で保護することになると、どのように定義するのか。そもそも同性間の婚姻では、人数は二人に限定できず、3人、4人の婚姻主張出てきそうではないいか。いわゆるバイセクシュアルの人の婚姻関係はどうなるのか。「貞操を守るとか破る」の事実認定はどのように行うのか。

 

 性的マイノリティーを“LGBT”と表現することが多いようだ。順に、

L(レズビアン)……性自認が女性の同性愛者、

G(ゲイ)……性自認が男性の同性愛者、

B(バイセクシュアル)……男性・女性の両方を愛することができる人、

T(トランスジェンダー)……主に身体的な性別と性自認が一致しない人。

 近年はこの4つでは足りないとして、“LGBTQIA”が使われるという。論者によると、

Q(クエスチョニング)……自分の性別がわからない・意図的に決めていない・決まっていない人、

I(インターセックス)……一般的に定められた「男性」「女性」どちらとも断言できない身体構造を持つ人、

A(アセクシュアル)……誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人

 7つもあると分類がたいへんとなりそうだが、上記7種のほかに次のような者もいるとの説も唱えられている。クィア (Queer)、インターセックス (Inter-sex)、アセクシュアル (Asexual)、Xジェンダー、 パンセクシュアル (Pansexual)、アンドロセクシュアル/ジニセクシュアル、 アライ (Ally)などとネットで解説している。それぞれの特色があり、他とは違うのだそうだが、理解がついて行かない。気になる人は勉強してください。

 

2021年03月26日