怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記253 外相は何を伝えたのか

「日中外相電話会談 茂木大臣“深刻な懸念を伝達” 中国はけん制」の実情は?

NHKなどによると、45日、茂木外務大臣は中国の王毅外相と電話で会談し、海警局に武器の使用を認めた「海警法」の施行などの覇権的行動や、新疆ウイグル自治区をめぐる人権問題などについて深刻な懸念を伝え、具体的な行動を強く求めたとしている。

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ほんとうか、そして言質を取ったのか。それとも拒絶され、喧嘩別れしたのか。あるいは欧米向けの舞台回しに利用されたのか。

ボクが注目したのは、電話会談が中国側からの申し出であったこと。欧米の人権批判でよほど困っているだろう。であれば、茂木外相は、このチャンスを逃さず、「尖閣への海警船派遣を即刻やめよ」の一言でよかった。この実現の後で、他の項目を議論すればよい。

ところが海警船はこの日も出没している。何十日も休みなく。これでは茂木外相の発言が中国国内機関に伝わっていないか、海警船を歓迎していると誤って受け取られたということではないか。7日以後も海警船は引き揚げていない(8日で55日間連続と報じられている。5日の会談は、「居直りどうぞ」ということだったのか。)

会談後の中国外務省発表では、日本側が香港や新疆ウイグル自治区など中国の内政に介入することに反対したとしている。さらに「日本はアメリカと同盟関係にあるが、中国とも平和友好条約を結んでおり、履行する義務がある」と伝えたとする。これが中国の会談実施目的だったのか。欧米が中国の人問題を批判しても、日本は中国の内政だからほんとうは問題にしていない。欧米は中国が支配するアジアに口を出すな。これには日本が従っているぞ。

 日本の外相がそれに納得したのか。そうでないならただちに「中国は会談内容を捻じ曲げて発表している。事実はこうだ」と発表しなおすべきだろう。民主主義国の有権者には知る権利がある。

顧問 喜多村悦史

2021年04月12日