怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記254 北海道が危ない

 図書館で借りた本を読む。砂澤陣著の『北海道が危ない』。

 著者の経歴をウィキペディアで探ると、「アイヌの名を掲げて保護を受けて生きることを嫌い、弱者利権のために保護を積極的に受けさせて自立心を奪おうとしているとして北海道アイヌ協会、北海道教職員組合、北海道新聞に否定的な立場を取っていた父の思想と技術を受け継ぎ、二代目として彫刻活動とアイヌ利権に関わっている組織への批判的立場での著述活動等を行っている」とあった。

そこで父親の砂澤ビッキ氏だが、ウィキペディアは「アイヌの両親のもとに…生まれ…22歳のときに木彫を始め、…北海道を中心に屋外彫刻も多数手がけるなど、土産物の木彫から出発し、大胆にして繊細、原始的にしてモダンな独自の作風を確立した。その作品は国際的にも評価が高い」

ゆんフリー写真素材集 : No. 6655 アイヌの伝統舞踊 [日本 / 北海道]

 中国の少数民族への弾圧、虐殺が世界で注目され、批判されている。すると「日本にもアイヌという先住の少数民族がいるではないか。日本政府や日本人に北京政府を批判する資格はない」といった批判をする者がいる。深澤親子はそうした批判こそおかしいと指摘する。

 アイヌは民族といえるのか。「諸外国の先住民に対する施策には、何代までとガイドラインがあるが、アイヌ協会にはそれもない」。「基本的に自己申告」。「ある特定の人々の利権を生み出すために不要な政策が作られ、また、彼らの立場を正当化するために歴史が捏造・改竄される。…彼らに対する生活支援政策は不正の温床となり、その不正は差別撤廃や平等という美辞麗句の下に蓋をされ、「アンタッチャブル」な領域が作り出される」。例えばアイヌの子弟への修学資金貸付制度は、昭和57年度から平成19年度までに986人が利用したが、卒業後にきちんと返還したのはわずか一人だったそうだ。カラクリは本書に書いてある。

 日本ではアイヌ人への手厚い優遇がなされる。中国共産党はウイグル人を強制労働させ、洗脳し、不妊手術をし、日常的に能力を振るう。

「客観的な現状調査もなされず、歴史認識もあいまいな中での税金による助成は、自立を拒む者を生み出すだけだ。自立する意思を失わせることは弱者を虐げることにしかならない」。「団体が弱者利権を貪っている」。

 著者は北海道の教職員組合、マスコミなどの問題にも切り込むが、共通の視点がある。客観的、公正な視野を持たず、一人よがりの正義を騒ぎ立てて行政などを糾弾して、助成金と利権を構築する。デモをすれば催涙ガスと銃弾が飛んでくるところで最小限の自由を主張する者と同等の運動であるという主張は、倫理観が多少でもある者では恥ずかしくてできないのではないか。ということでアイヌの血を引く者で協会に加入する者はせいぜい2割に過ぎないとか。説得力がある本である。

顧問 喜多村悦史

2021年04月12日