怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記255 不退去は罪にならないのか

日本列島とは台湾を経由して連なるフィリピン。南シナ海に面しており、その領海に多くの環礁がある。国際司法裁判所はフィリピンの領有を認定したのだが、不都合なことは認めない厚顔無恥の中国政府は「紙くず」と言ってのけた。国際条約は顔なしだ。

 両国の間では領有をめぐる争いが続いている。しかし図々しさで中国が優る。スカボロー環礁で揉めたときは、フィリピンが頼ったアメリカのオバマ大統領が逃げを打ち、中国に占拠されて今に至る。

 今度揉めているのはスプラトリー諸島。中国の大型漁船が数百隻も、鎖でつないで居座っている。乗り組んでいるのは漁民に扮した兵士とされる。古く鎌倉時代、博多湾に押し寄せ、海上を埋め尽くした朝鮮と宋の連合艦隊が各船を鎖で連結して海上封鎖の脅しをかけたのを彷彿させる情景のようだ。当時、背後で指令を出していたのが元のフビライ皇帝。今は共産党の習近平“皇帝”。

南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設 - Wikipedia

元寇の際は九州の武士たちが奮戦して上陸させず、逆に小船に分乗して船団に襲い掛かり、日本侵攻のコスト高を元の将官たちに思い知らせることに成功した。

今回のフィリピンは武力の差から、船団攻撃の糸口をつかめていない。せめてもと「領海から出ていけ」と非難声明を出したところ、中国は「悪天候を避けるための停泊」と説明した。それが1か月もの停泊継続の理由なのか。島に建造物を作っている証拠も見える。フィリピンのロレンザーナ国防相は「私は(中国の説明を信じる)愚か者ではない」と言ったそうだが、まったく同感。

これに対し東シナ海の尖閣でもっともっと長年月にわたって侵犯を売り返されているわが日本国の反応はどうか。直接の当事者である海上保安庁を所管する赤羽一嘉国土交通大臣が中国政府に物申した形跡がない。配下の保安官のみなさんはどういう気持ちで巡視船に乗っているのだろう。

顧問 喜多村悦史

2021年04月12日