怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記269 閉鎖空間除菌

コロナウイルスは空気感染する。感染者が吐き出す空気を未感染者が吸い込むことでうつる。そうすると空気の入れ替えがない閉鎖空間が危ない。その代表例が旅客機ということになろうか。ヨーロッパ直行便となると10時間以上の密室状態だ。

 航空会社の対応がニュースで報じられていた。例えば「日本航空は23日、座席や化粧室など航空機内を抗ウイルス・抗菌コーティングする作業を東京都大田区内の格納庫で公開した。5年ほど効果が持続するコーティング剤を新たに使用し、7月までにグループ各社の機体計230機のコーティングを行うとしている」(産経2021424日)。

 コーティングは、機内の薬剤を塗膜してそこに接触するウイルスや細菌の賦活化をする手法だ。コストはかかるが、安心安全のために必要な施策と考えているわけだ。

 ライバルの全日本空輸も機体を毎夜、持続性が高いアルコール薬剤で消毒している。

ウイルスの完全撲滅(感染者が一人もいない状態)することは、そもそも現実性がない。できないことを目標にすることは、労力とコストばかりがかかり、社会が披露するだけだ。目的は具体的、手段は効果的であるべき。この点、密閉空間である航空機内での集中的感染を防ごうとする航空会社の方策はよろしい。

機内で乗員、乗客が触れる箇所を夜な夜なアルコール消毒するのに加え、抗ウイルス薬剤を機内の部材に塗布しておく手法もいいだろう。

 

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だがこれで万全であるとの断言はだれにもできない。もっといい方法はないか。その一つが「空間除菌」という考え。ウイルスは閉鎖空間中を舞いつつ、床に落下する。ならばその空間内の空気中にウイルスを破壊、無害化する次亜塩素酸を漂わせればよい。

国民が日々引用する水道水には次亜塩素酸が水道局の手で混入されている。これにより安全な飲用水を利用できている。次亜塩素酸は有害とする意見があるが、それは濃度による。水道水中の次亜塩素酸は超低濃度。

例えばだれもが怖れる放射能は自然に存在する物質。そこでの濃度では健康被害はない。高濃度になると健康被害につながるのだ。

「空間除菌」も同じ考えで、密室空間に噴霧する次亜塩素酸水濃度は極めて低濃度。したがってウイルスの被膜破壊には効果的だが、人体レベルでは影響が出ない。次亜塩素酸水はもともと廉価だし、機械噴霧では労力も軽微である。食材洗浄などでは常用されている。使用している病棟や福祉施設では、ウイルス性疾病の発生がほとんど起こらなくなる。

 次亜塩素酸というだけで拒否反応をする人は、福島原発処理水中のトリチウムに絶対拒否反応する人と同じで、希釈とか濃度という概念への理解力が欠如している。コップの水にスプーン一杯の塩を混ぜればしょっぱくなる。しかし満水の水泳プールにスプーン一杯の塩を混ぜて、しょっぱさを感じることはない。

 冷暖房では室内空間全体の空調が常識化してきて、屋内に練炭火鉢を多数設置するなどと言えば白眼視されるだろう。除菌についても室内空気を対象とした対応が求められていると思う。それが「空間除菌」である。

顧問 喜多村悦史

2021年04月25日