
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
ベランダの隅にシンビジウムの鉢がある。ランの一種という。ランで有名なのは胡蝶蘭だが、飾っているうちに痛んでくる。その点、わが家のこの花は丈夫なこと。20年以上になるが、毎年、この時期になると忘れずに花を開いてくれる。
よほどていねいに手入れしているのか。全然そんなことはない。たまに水をあげるだけ。ランの中では例外的に寒さにも強いのだそうだ。この丈夫さは野生そのもの。台風での強風で鉢ごとひっくり返ったことが二度、三度。それでも枯れることはなかった。
家内は植え替えを提案する。
「窮屈そうだし、息が詰まって枯れるかも。広い場所に替えてあげようよ」。
だがシンビジウムの方では、悪環境で花をつけないとか、枯れかかるといった気配はまるでない。今年も大きな花をいくつも咲かせている。
不精なボクは剪定も間引きもしないが、元気いっぱいだ。
「大きな鉢にしてあげれば、もっと大きな花をたくさん開くに違いない」
彼女の誘惑にもボクは断然、抵抗している。植え替えでは鉢が大きくなれば、ベランダの空きスペースが狭くなる。そうでなくてもベランダに大小の鉢植えが増えているのだから。
ボクは一点豪華主義。ベランダの花は一つで十分。家内は反対。四季の折々に咲く花が欲しい。ということで引っ越しに際して、極力絞った鉢植えが増殖を再開している。
顧問 喜多村悦史
2021年05月10日