怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記289 巣立は間近い

親水公園のサンクチュアリ(野鳥の楽園)のアオサギの近況。親鳥に愛情を受けて、雛はすくすく成長。大きさでは親鳥とさほど変わらない。
 これから親鳥がエサ取りの指導をし、その後に巣立ちになるという。
 対岸には望遠レンズ付きのカメラが並んでいる。それだときれいに撮れるのだろうが、ボクの写真はスマホ。精一杯画像を大きくしても、これが限界。ということで親と子が明瞭に識別できないのだが、毎日写真を撮っているという事情通が見分け方を教えてくれた。首筋を見るのだそうだ。良くは理解できなかったが、巣に2羽を超えて3羽以上見えるということは、それは間違いなく親と子ということだ。


 詳しくないボクは事情通に聞く。一度に産む卵の数は?
 答えは「たいがいは三つだ。それ以上のこともあるが、エサが行き届かないので自然と間引きになる」。弱い個体が飢えて死ぬらしい。エサの奪い合いでは体の大きさがものを言うから、早く孵化したほうが強い。人間界でも長男、長女の扱いが恵まれていることが多いが、野鳥でも同じということだろう。
 ところで平均3羽というのは、繁殖率ではかなりのものだ。サギの社会に同性愛があるのか否かは知らないが、ペアリングに失敗するあぶれ者もいようから、成鳥が20羽いても、10組のペアができるとは限らない。仮に8組にとどまるとしても、生まれて成長に達する雛は24羽に達する。事故死する個体がないとすれば、1年後には2倍以上に増える。
 事情通が言う。「今年はここで50羽の雛が巣立つとみている」。続けて「昨年まではこんなに営巣は多くなかった。今年はベビーブームだね」。
 近在の人間社会で子どもが生まれないか分、野鳥の出産力が高まっている。そういう見方ができるかもしれない。

顧問 喜多村悦史

2021年05月17日