怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記334 新型コロナの大誤算

標題の本が出版された。正しくは『もうだまされない新型コロナの大誤算』。新聞4段使っての広告が載っていた。発売即6万部売り上げだそうで、出版社(幻冬舎)の鼻息がうかがわれる。

 著者の西村秀一さんは国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンター長。まさにウイルス感染症の実践専門家。新型インフル、SARSなどの現場を体験し、米CDCで研究を重ねた呼吸器系ウイルスの権威が、日本がコロナ禍で衰亡する前に憂国の思いを発揮出した書との触れ込みだ。これまでも『新型コロナ「正しく恐れる」』『新型コロナ「正しく恐れる」問題の本質は何か』と立て続けに出版されている。

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 新型コロナについては分からないことだらけだ。そもそもこのウイルスはいつから存在しているのか。野生のコウモリを食べた人間に感染したとの説も定説とはならないようで、生物兵器目的でコウモリを宿主とするウイルスを加工して作成した新種ウイルスが武漢の研究所から、故意か過失かで外部に出たという説の方に説得力がある。

 そのことはともかく、今は感染流行の抑えこみを急ぐというのが各国の動き。その切り札としてワクチン接種が大わらわで進められている。

 その流行対策の中に的外れが多いというのが西村先生の主張のようだ。中身を読まずに論評するのはいささか軽率だが、「怖いのはウイルスよりも間違った情報のまん延だった!」には引き寄せられる。

「ビニールカーテンやパーテーションは逆にリスク増大」、「手洗いよりも、うがいの徹底を」、「新型コロナは呼吸器系ウイルス、食べ物や手、目鼻からは感染しない」など、国民が漠然と感じていることではなかったか。

 同書の目次を拾い読みしてみた。

 第1章 新型コロナは空気感染だと知れ

・ビニールカーテンやパーテーションは逆にウイルスが滞留する

・ウイルス学的に皮膚や鼻、目からの感染は考えられない

2章 手洗いよりうがいのすすめ

・感染者との出会いも短時間なら恐れることはない

・床に落ちたウイルスなんか気にするな

・徹底すべきはうがい・鼻うがい・口ゆすぎ

3PCR検査をただ増やせば良いという大誤解

PCR検査をしなかったから医療崩壊を免れた

PCR検査では死んだウイルスでも陽性に

4章ウイルスに勝つマスクの達人

・フェイスシールド・マウスシールドでは何も防げない

・外を歩くときにマスクはいらない

5章こうすれば飲食店も営業できる

・屋外のBBQでの感染、犯人は食べ物ではなく、コンロの前の密集

・大皿料理、ノロウイルスなら危険だが、新型コロナでは問題なし

6章ウイルスと細菌は違います

・新型コロナは呼吸器粘膜(主に喉や肺)でのみ増殖する

・第3波とか第4波とか、一喜一憂はもうやめよう

・ゼロリスクを求めるのは、全ての生活から逃げること

7章新型コロナはいつ終息するのか

・治療法が確立されても、新型コロナ撲滅は不可能

・歴史上の流行したウイルスは、いまもくすぶり続けている

顧問 喜多村悦史

2021年06月29日