怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記342 日本国憲法が終わる日

憲法の第1章(1条から8条)は天皇に関する規定である。ここで問題。

皇統が絶えて天皇陛下が不存在になれば、憲法1章を削除しなければならず、必然的に憲法修正が必要になると思うか。

 男系男子で126代(女性天皇も含むが、未亡人かつなぎの独身で出産していない)つながってきたのがわが日本の天皇制。女系を受け入れてしまえば本質を損なってしまう。女系人になれば天皇制度ではなくなるとの議論(例えば竹内久美子さんの「皇統耐えさせる議論危惧する」産経正論2021.6.18)には説得力がある。

 ならば天皇制廃止後の日本国民を統合する象徴はなにかという課題が持ち上がる。そこに至って「やはり天皇制は必要だった」となるのだろうが、一度途切れさせたものの復活は難儀であろう。そうなると男系男子の皇統を絶やさない仕組みが整えることが、現時点でなすべく必須の最低の手立てであろうということになる。

 大日本史略図会 神武天皇[20086001106]の写真素材・イラスト素材|アマナイメージズ

 その場合、現実的方法は旧宮家の皇籍復帰ということになろう。ただし旧宮家でも女系に入れ替わっているところは外さなければならない。どの夫婦でも、生まれてくる子の性別が偏るのは避けられない。男子が複数生まれた宮家は皇族として株分けする一方で、女系になったところは皇族でなくす。このバランスを維持することで天皇制を維持できる。

 でも皇族家にそもそも子どもが生まれなかったら、この案は画餅である。即日を置くなど非モラルの強制は論外である。

 そうしたなか参考になるのが外国王朝。例えばフランスのブルボン朝。アンリ4世(即位1589年)に始まり、ルイ16世の断頭台処刑(1789年)にいったん途切れる。この間太陽王ルイ14世(在位16431715年)を含み、しっかり皇統を維持しているが、重要なのは歴代王様夫婦の子ども数。5人、6人が標準なのだ。カトリック信者だから一夫一婦で側室厳禁。でもしっかり子どもを産み、枝葉を増やしている。

 問題の本質はここであろう。現在の皇族ファミリーでの少子化(無子を含む)を反転させることができれば、天皇制喪失危機は次第に解決していく。

 ブルボン朝の夫婦はなぜ子たくさんが続いたのか。歴代の王様が絶倫だったのか、どの王様も多産系の皇后を探しまわったのか。

 憲法を維持するには天皇家の安泰が必須。126代の伝統を崩さない皇統継続という観点からの対応が必要なのだ。

顧問 喜多村悦史

2021年07月14日