怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記64 税制をもてあそぶな

消費税を政局に絡めて弄(もてあそ)ぶのをやめよ。

コロナにひっかけて消費税の軽減・廃止を主張する政党に物申す。

小峰隆夫先生の意見(週刊東洋経済2020.9.26)に同感した。以下その概要を別表現で紹介する。

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 まず、コロナで外出、レジャー控え状況であり、減税しても消費は増えない。

 次に、消費税廃止は消費額の10%相当の政府給付金(ばらまき)に等しいが、所得5階層別の消費金額は最上位が最下位の倍以上。金持ち優遇にほかならない。

 政策としても問題外。コロナ対策で赤字国債大増発し、財政破綻危機はいっそう高まった。すべての政党、議員の責任は、政府財政をいかに早期正常化(黒字化)するかの知恵比べ、国民への説得のはずだ。国債増発に反対した者であればまだしも、「コロナ対策で政府支出を増やせ、返す刀で減税せよ」では、「日本政府を財政破綻させるのが国会議員としての自分の使命」と主張しているようなものだ。

 国会議員になろうとする人は、それぞれ「自分はこういう政策によって国民をより幸せにするのだ」という硬い意志を持って立候補したものと信じる。「業界が料亭遊びに誘ってくれる」とか「歳費でタワーマンションを買える」というさもしい理由ではないはずだ。そして志が高い者同士で政策を論じ合い、同一方向の者が多数派を形成して政策を実現するべく政党を結成する。

 コロナ対策では①感染ゼロか、②共存かが論争点。その先の財政正常化も当然関連する。すなわち①大きく落ち込ませた経済の起爆剤として消費税中止を断行し、超大型好景気で税収減を一挙に取り戻すという博打に賭けるか、②国民を信じてありのままの財政状況を公開し、政府歳出削減に地道、着実に取り組むかの選択である。

顧問 喜多村悦史

2020年10月02日