怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記69 国政調査百年

今年は5年に一度の国政調査の年。今は実施の真最中。政府統計の中でも重要度が高い。第一回が1920(大正9)年だったのでちょうど百周年になる。そもそもの始まりは、時の総理である原敬さんの思い入れ。若い外務省書記官としてパリに赴任した際にフランスの国勢調査を見聞し、近代国家に必要不可欠と深く心に刻んでいたという。

100年で女性の平均寿命が2倍に

 百年間の統計を紐解くと、わが国の国情の移り変わりがよくわかる。第1回(1920年)と前回(2015年)を主要項目で対比するすると、

〇総人口 5596万人-12709万人 〇65歳以上人口割合 5.3-26.6

〇一世帯当たり人員 4.89人-2.36人 〇外国人人口 7.8万人-175.2万人

〇平均寿命 男42.06歳-80.75歳 女43.2歳-86.99

〇第一次産業就業者の割合 54.9-4.0

 変化の大きさに驚いてしまう。例えば女性の寿命が2倍。

本と鉛筆の拡大写真

国勢調査を国民の義務にしてはどうだろうか

 調査では各世帯への訪問が必須だが、昨今は困難を極めるという。個人情報保護を理由に調査を拒否する者、セキュリティーマンションで部屋まで行けないなどだ。70万人程度必要とする調査員もなり手が不足している。

 全戸訪問をやめようとの意見もあるそうだが、とんでもない。継続が必要な調査であろう。ではどうするか。有権者名簿から無作為抽出してはどうか。裁判員と同じく国民の義務とするのだ。そのうえで時間の都合がつかない人は免除申請し、報酬相当額(3万5千円程度らしい)を逆納付する。辞退者が多いほど、国には雑収入が入り、調査員を引き受けた人への報酬追加財源とする。また調査非協力者へのペナルティも欠かせない。住民税の均等割次回調査までの5年間3倍増にするくらいを考えよう。

顧問 喜多村悦史

 

2020年10月06日