
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
一審で無罪判決を得た被告が、二審では、弁護士を通じて自らの有罪判決を求めた。裁判官がどう判断するか注目されている。判決予定日は11月25日。
群馬県前橋市で2018年1月、当時85歳の男性高齢ドライバーが乗用車で女子高生二人をはねて死傷させた。男性の車が対向車線にはみ出し、猛スピードで逆走してきたため、自転車走行の高校生はよけきれなかったのだろう。事故の模様は付近の防犯カメラ映像にとらえられていて、ユーチューブで見ることができる。
画面で左方向に向かう車が渋滞状態にあり、男性はそれらを追い越そうと反対車線に出たように見える。しかし映像でも確認できるが、反対車線にも通行車がある。そしてその道路端を女子高校生の自転車が右方向に向かっている。
直後にガッシャ―ン。男性の車は衝撃で宙を舞い、裏向きになって地上に落ちる。女子高生は意識不明の重体とニュースは伝えるので、病院で死亡したのだろう。
男性は事故直後の聴取に「気がついたら事故を起こしていた」と述べる。検察は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)として起訴し、4年6月の禁固刑を求めた。
今年(2020年)3月の前橋地裁では無罪判決が下され、検察が納得できないと控訴した。事故は男性の持病薬の意識障害作用によるものだが、争点は男性がそれを認識していたか否か。一審判決は否定したが、男性が一転、これを認めたわけだ。
控訴審で交替した弁護士は、男性の有罪意思確認をしていると述べ、家族も同意見という。男性は高齢で福祉施設に入所しており、二審法廷に出なかった。
顧問 喜多村悦史
2020年10月14日