怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記82 中曽根元総理の葬儀

101歳の長寿で逝去した中曽根元総理

 元内閣総理大臣中曽根康弘さんの内閣・自民党合同葬が1017日に行われた。亡くなったのが昨年11月。

コロナで3月実施予定が繰り延べになり、死亡時からほぼ1年後になった。葬儀委員長の菅総理が孫の中曽根康隆氏に火葬済みの遺骨を手渡していた。

土葬の時代だったら、遺体安置の方法など難題が重なり、取り仕切る側はたいへんなことになっていただろう。火葬率ほぼ100%のわが国の葬送形式を再認識した。

 菅(すが)総理は、国鉄等三公社の民営化や自由主義陣営との連携強化など元総理の業績を評価した。報道を介して聞いた国民も、当時の国難にこの国がどう対処したかを思い起こすことになったと思う。

それだけ功績が大ということだが、ボクは101歳の長寿で人生百年現役時代の到来を国民に身をもって示した功績も大きいと思う。

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葬儀費用に国費を使うことの是非

 ところで葬儀費用に国費を投じることに反対する声があるようだが、どういう思惑なのだろう。国家・国民に対する功績や忠誠への感謝の気持ちを顕す最後の機会として、国葬ないしこれに準ずる儀式を素直に受け取れない偏屈があるのか。

 Wikipediaによると、アメリカでは国への貢献が顕著な人は国葬対象。マッカーサーGHQ総司令官も国葬されている。大統領経験者は漏れなく国葬の権利があるが、ウォーターゲートで失脚のニクソン氏は自ら恥じたのか、辞退している。

わが国で国葬が一般国民に行われるのは数少なく、戦後では吉田茂元総理のみ。

これに準じる葬儀の事例では、今回の内閣・自民党合同葬(10人)のほか、衆議院葬(2人)、参議院葬(3人)が行われている。

 ちなみに衆議院葬の対象は幣原喜重郎(戦前の外務大臣・敗戦直後期の総理大臣)と尾崎行雄(憲政の神様)元議長。なお参議院葬では対象の一人は元議長ではなく、副議長在職中に死亡した社会党出身者とのことだ。

顧問 喜多村悦史

2020年10月19日