
怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
「毛皮農場のミンクがコロナで大量死、人間から感染か」と題するアメリカCNNニュース(10月10日)。
高級毛皮コートの材料になるあのミンクが、飼育されている農場でヒト由来のコロナに感染、それが仲間内で急速に拡散、大量死になっているという。
ウィスコンシン州のミンク農場の作業員3人が例の武漢コロナに感染して「軽度から中程度の症状」を示しているので、彼らからミンクにうつったのは間違いがないと獣医師は判断しているという。
ニュースによると、ユタ州の農場でもミンク感染が確認されているほか、オランダ、スペイン、デンマークでも報告があるそうだ。
武漢コロナはコウモリの常在ウイルスが人間に取り付いたとするのが有力だが、種を超えての感染は滅多に起きないと考えられている。それが今回の事例では、人間からさらに別の動物種にうつり、その種内でパンデミックを生じた。
コウモリと人間、人間とミンク。近縁種ではない。それでも相互に感染するのだとすると、感染予防の考え方も変えなくてはならないのではないか。
今のところ、ミンクから人間への逆の感染は確認されていないが、それには根拠があるのか、それとも確認されていないだけか。ミンクではウイルスの進行が早く、感染翌日には大半が死ぬという。ただしその前に近縁種である野生のイタチ、カワウソ、フェレットなどにも感染して、農場外に広がっていれば厄介だ。
ワクチン開発に成功し、全人類に行き渡らせることができたとしても、その免疫が切れる頃になると、新たにペット、家畜、野生動物からもらい受けることになる。動物種を問わない新型のウイルスがはびこるようになっては、疫学を根本から再構築しなければならなくなる。
顧問 喜多村悦史
2020年10月28日