怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~

怒苦打身日記81 認知症予測法あれこれ

自分が自分ではなくなっていく

認知症にたいする怖れはこういったことではないか。

「認知症になってまで生きたくない」。

そう明言する人は少なくないし、ボク自身もそう考える。安楽死が許されるならば、そうしたい。ところがその状態になった自分には、そもそも判断力がない。認知症になることが避けられないと判断された時点で、「以下の状態になった時点で自ら命を閉じる」と宣言する権利を認めるべきだろう。

 その前提は、認知症に関する正確な予測。できるならばその予測を遅らせる手段、方法の開発だ。それは可能なのか。今夏の新聞にいくつかの方法が紹介されていた。効果の程度はどうなのか。とりあえず順次紹介しておこう。

認知症を予測する方法

  • 1 静岡新聞(6月23日)。認知症にはアルツハイマー、レビー小体型などがあるが、いずれも特徴的な固有タンパク質が脳内に蓄積する。当人の少量の血液を採取、分析することで判定できるのだそうで、国立長寿医療研究センターなどが取り組んでいる。

  • 2 読売新聞(7月7日)は生活習慣に着目する。数千人規模で食事や運動などの生活習慣を観測すれば、認知症との関連を図式化できる。

  • 3 日経産業新聞(7月14日)は直接、脳の変性に着目する。磁気共鳴画像装置(MRI)でとらえた脳内画像を診断用に開発するプログラムで解析する手法という。

「公園で日光浴を楽しむおじいさんと介護士の女性」の写真[モデル:まーちゃん yumiko]

予測さえできれば予防も進行を遅らせることも可能

 いずれも完成段階になってはいないようだが、認知症の予測ができるようになれば、予防や発症を遅らせる手法開発も並行して可能になるはずだ。ではこうした技術をどう活用するか。それが政策課題になる。介護保険に取り入れ、予防努力の程度により、要介護認知症になった後の保険給付自己負担割合に、1割から7割程度の差を設けてはどうか。菅(すが)総理の基本である自助努力に沿う方策であろう。

顧問 喜多村悦史

2020年10月17日