怒苦打身日記 ~協会顧問 喜多村悦史のブログ~
No69でも触れたように国勢調査の最重要項目は人口である。
急激な出生数の減少は、人口の年齢構成をゆがめ、世代間扶養の社会システムを根底から破壊する。高齢者の定義を改め、就業活動からの引退年齢を急速に後退させていかない限り、日本社会の経済社会は成り立たなくなる。これはだれが考えても明白なのだが、政治や行政はまったく動かない。加えて、さらなる出生数の減少を画策しているかのようだ。
年間出生数が100万人を切ることなどないだろう。そうした希望的願望が打ち砕かれたのはわずか5年前。その後どうなっているか。数値の推移を見ていただこう。
2015年 100.5万人。2016年 97.6万人。2017年 94.6万人。2018年91.8万人。2019年86.5万人。では今年は何万人、そして来年は?
医師・専門家監修の妊娠・出産・育児の情報サイトを自任するベビーカレンダーが経産婦に対するアンケートから出生数を予測している。2020年 82.9万人、そして2021年は70.5万人。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000029931.html
主な理由として第2子を予定していたママの32%が妊娠を延期または諦めたことを挙げている。新型コロナの胎児や新生児への影響が心配、病院での健診が難しい、広域移動自粛で里帰り出産できない、収入面での不安を払しょくできない…。
コロナ対策で重要なことはなにか。経済活動の過度なシュリンクで事業が行き詰まり、自殺者が増えたなどが報告されている。感染防止策を講じてもゼロにはならない。逆に感染しても超高齢者などを除き重症化することは少ない。小事にこだわり、大事を壊す誤った政策に拘泥していないか。出生数も同様である。コロナの危険を針小棒大に騒ぐことで少子化を加速し、国家の基礎を危うくする愚を犯すべきではない。
顧問 喜多村悦史
2020年10月30日