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怒苦打身日記㊹ 母語を失う

文化人類学者の楊海英さんの26回にわたる長期インタビュー記事「話の肖像画」(産経新聞)が終わった(95日)。全国紙の連載だから、目にされた人も多いと思う。

 楊さんは中国籍からのわが国への帰化者だが、血筋的にはチンギス・カンの流れを引く純血モンゴル人。清の時代、モンゴル人は満州族と並んで明の遺領を統治した。部族の根拠地は放牧、牧畜等のために温存し、統治要員が長城の南に出張っていた。

 清が瓦解した後、民族は悲劇に襲われる。食い詰め漢人が大挙、越境してきて、数に任せて放牧地を奪い、動物を奪い、家を奪い、命を奪う。中国共産党はそれを正当化し、文化大革命などを利用して、民族の主な者を「反革命分子」として、拷問、虐殺した。楊さんのインタビューには、そのことが実名を挙げて連ねられている。

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 満洲やモンゴル一帯は歴史的に漢民族の旧地ではない。中東のクルド族は自国領を持つ独立国家を目指しているが、モンゴル族にもその権利はあるはずだ。北には同族によるモンゴル共和国(お相撲さんの一大出身地になっている)が存在しており、そこと合邦するのは至って自然な発想のはずだ。しかし中国はそれを分離主義として絶対に許さないと主張している。論理が転倒しているのだが、なぜか日本政府や外務省は声を挙げない。内政干渉と一蹴されるのを恐れているようだが、「世界中の人権侵害を認めない」という日本国憲法(前文)に忠節(99条)ならば、黙っていてはいけない。

 弾圧された民族は復讐に立ち上がるのが歴史的原則。それを怖れる弾圧側は、被害民族の記憶そのものをないものにしようとする。その手段として固有言語を奪い、文化を消滅させる。スターリン一派が編み出した共産党専制主義の統治方法であり、習近平政権はその忠実な後継者であることが、日々明瞭になってきている。

 

喜多村悦史

2020年09月14日

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